水溶性の涙に溶ける

7/30
おはようございまーす、大きくもなく小さくもない周りの空気感を感じながら発した声におはようございますと返ってくる。なんだかみんなソワソワして変な空気だなと思ったら新人の子がアポを取ったらしい、チャイムが鳴る、負けてたまるかと意気込んでインカムを付ける、仕事モードスイッチオン。出勤して30分でリサーチ(アポになる一歩手前)を取った。お弁当をあけていただきます、相も変わらずボリューム満点なお弁当、お母さんいつもありがとうと思いながら美味しく頂いた。午後からまたがんばるぞっと意気込んだもののするっと横の新人の子がリサーチを取る。もうだめだと思って泣きそうになったら次は吐き気が、泣くのをグッとこらえてオエオエしながらコールする。もうだめだと思って上司にちょっとした嘘を上乗せして相談して早退することにした。
帰って友人に電話したら「ゆうちゃんが今戦うのはその子じゃなくて自分自身だと思う。競う気持ちも大切だけどそれは2、3年続いて同じままだったらしたらいい、今はその子を踏み台にしてやる気持ちで目の前の仕事に全力で打ち込め」と慰めと励ましと応援をもらった。ほんとうにこの子と話すとスッキリする。いつもありがとう。


7/31
午前4時50分に起床、そそくさと身なりを整えてカメラを持って自転車に乗って撮りたいと思っていた場所まで走り出す。目的のものを撮れたのでゆっくり帰りながら夏を探す。いまいちいいものが撮れなくて汗だくになって実家の喫茶店へ寄って祖父が「遺影を撮ってくれ」というのでこの間はピンボケしていたので改めて写真を撮った。家に帰ってきて吸い込まれるようにベッドに入っておやすみなさい、起きたのは11時過ぎだったと思う。
しばらくだらだらしてごはんを食べて録画していた思い出のマーニーを観た。面白いというか不思議な感じ。いわゆるジブリファンタジーとは違うような感じだし、分かりやすいキャラクターが出てくる訳でもないので、すごく小さな子供たちにはちょっと難しさが残るかもとは感じた。でも個人的にすごく良作だと思う。恋人から電話がかかってきて今日会えるよって言葉で気分は最高潮。テキパキと用事をして合流したのは午後10時過ぎでコンビニへ寄って適当なものを買ってホテルへ向かう。恋人に会うのはひさしぶりな感じ。9歳も離れているのにゆうちゃん〜って甘えてくるのがかわいらしい。いっしょにお風呂に入って18度風量強の部屋で涼んでふたりでだらだら過ごす、なんとしあわせなことか。
キスをしておやすみなさいをした。


8/1
わたしは恋人の腕の中でねむっている、いつものようにおでこにキスをする、そばを離れて煙草を吸う。ここ最近ではこの瞬間がいちばんしあわせかもしれない。恋人が起きて仕事へ行く用意をするのでわたしも帰る用意をする。駅まで見送っていってらっしゃい。JRに向かって歩く、環状線に乗って家へ帰る。わたしが作ったポシェットを見て友達がわたしも欲しいと言うのでその制作にかかる、はぎれを並べてどれが似合うか考える、ゆうちゃんがわたしをイメージして作ってなんて簡単に難しいことを言ってくれるなと思った。キリのいいとこで終え自宅に帰る。
休日って何したらいいか、いまいちわからない。時間が余ると不安になる、やらなきゃいけないことは山積みなはずなのにどれにも手をつけるのが億劫で、本を読もうにも本を読みたい気分にならない。でも何度も綴ってるようにそろそろ本を読まねば言葉が出てこない、語彙力があまりにも少なくなってきているし、言い回しもぜんぜん思いつかない。
つまり言葉が死んでいる。昔はもっと言葉で溢れていた気がする。本を読みたい。


8/2
早起きして男の子を撮りに行った、早朝のミナミは知らない街みたいでわくわくした、いろんなところを散策しながら撮った。人を撮るのってむつかしいことに初めて気がついた。表情、体の動き、背景とのバランス、正直こんなにむつかしいものだと思っていなかったから焦る。フィルムが終わって軽食を食べて彼の買い物に付き合った。解散して友達に贈るポーチの制作にかかった、殆ど祖母がしてくれてわたしの出る幕はなく少しさみしかったりした。出来上がって包装をして手紙を添えて送った、気に入ってもらえたらうれしいな。


8/3
仕事が楽しくない、わたしはまだ仕事の楽しさを見出せないでいる。隣の子がポンポンとコールAに進む中わたしはコールDでつまづいてばかりいる。気持ちばっかりが先走って空回ってるけど目の前の仕事を全力でするしか今はなくて正直 億劫ではある。
退勤して急いでカメラ屋さんに向かった、愉快なおばさんが「あなたはもっと自分を愛しなさい、あなたに何があったか知らないけどもっとどっしり構えなさい、せっかく笑顔が素敵なのにもったいないよ」と言われてしまった。確かに元から愛想が悪いのと顔色を伺ってばかりで笑うことが少なくなった。でもそれでいいと思ってた、無理に笑ったって疲れるだけだし笑いたいときに笑えばいいじゃないかと今でも思うけれど、あのおばさんは無意識にわたしにしあわせになって欲しいのかなとも思えた。その通りにはなってあげれないけれど。Minoltaのフィルムカメラをおじさんに貰った。前々から思っていたことだけれどわたしはほんとうにひとに恵まれてる。わたしもだれかの支えになりたい。